2004年からの歩み:米国から日本への種まき
日本セラプレイ協会の活動は、2004年に創設者が米国でセラプレイ(Theraplay®)と出会い、Sandra LindamanやSusan Bundy-Myrowから直接指導を受けたことに始まりました。2008年には、Youn Miwon博士を日本に招き、子どもに関わる専門家へのワークショップを開催したことで、日本での歩みが本格的にスタートしました。
それから約10年間、米国本部のトレーナーを招聘し、セラプレイの普及に努めてまいりました。しかし、日本国内での実践(発達クリニックや児童養護施設でのプロジェクト、また里親支援など)を積み重ねる中で、ある根源的な問いに直面しました。
NPOとしての10年:大陸と島国の文化的な差異を超えて
かつて私たちは「米国発祥のセラプレイを米国のトレーニング方法で教える」ことをしなければならないと思い続けてきました。しかし、大陸的な背景から生まれた「個人の自律性や境界線(バウンダリー)を明確にする方法」を、島国としての歴史と精神性を基盤とし独特な家族の文化を持つ日本にそのまま導入することには、拭いきれない違和感がありました。
周囲との「和」や調和を重んじ、非言語的な「間」や「身体感覚」を通じてつながる日本の文化において、セラプレイを真に機能させるにはどうすればよいのか。その探求のために私は教育人類学の門を叩き、「子どもの眼で世界を観る実践探究」という教育人類学を基盤とする 徐根源教授のメソッドに辿り着きました。
「まなざし」という土台と、これからの共創
NPOとして歩んだこの10年は、単なる技法の普及ではなく、日本の土壌に適した「支援のあり方」を再構築するプロセスでした。
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子どもの眼で世界を観る実践探究: 子どもと家族に関わる大人として、より専門的に関わるための基盤として、子ども・親子の言動を「世界をどう感じているかの現れ」として捉え直します。
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自己成長と自己分析: この実践は、支援者自身が自分の感覚に安全に気づき、仲間と共に成長し続けるための「セルフケア」の場でもあります。
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社会実装への決意: 今、私たちに求められているのは、社会とともに歩むNPOです。ご家族を核に、病院、学校、幼稚園・保育園、塾、地域の子育てひろば、そして里親支援センターなど、多層的な「和」を大切に連携を深めてまいります。
私たちは、今まで培ってきた臨床の知見を大切にしながら、日本ならではの繊細な感覚を活かし、子どもと家族が笑顔で生きられる社会を実装していくために、一歩ずつ進んでまいります。