セラプレイ セラピストが行う子どもとのかかわり
子どもは安心できる大人に見守られる中で、自分の心の声に耳を傾けてもらう体験をすることで、自己肯定感を高め、大人を信頼することを学び育ちます。それは生きる原動力になり、生涯の心の健康につながります。
セラプレイでは、セラピストが遊びを通して子どもへの理解を深め、子どもの心的ニーズに敏感に応えながら進みます。その結果として、子どもの問題行動の改善、心理的安定の回復、自己肯定感向上などの変化をもたらします。それは、セラピストが子どもを取り巻く大人と共に、子どもの心に寄り添いながら、子どもの行動を問題としてとらえるだけでなく、関係性からの視点で関わることで可能にします。セラプレイのセラピストは、安全のための「構造(Structure)」を作り、積極的に「関わり(Engagement)」、温かく守り「養育(Nurture)」、子どもが達成感を得られる適切な「挑戦(Challenge)」の体験を通して関わっていきます。そして、家族にとって本当に大切なことに気づく環境を創出することを目指します。「遊び」を介して行われるセラプレイは、親子・家族・兄弟・主養育者と子・夫婦…など関わりのあるところで実施されます。
協会代表紹介
高井 美和(たかいみわ)
東京 聖心女子専門学校 保育科卒/保育士/聖心女子大学 教育学卒 ソウル 淑明女子大学大学院 児童福祉学 児童心理治療 博士 米国本部認定 セラプレイ(Theraplay®)セラピスト、スーパーバイザー、トレーナー NPO法人 日本セラプレイ協会 代表 / セラプレイ カウンセリングセンター東京
東京都内幼稚園教諭を経て、米国セラプレイ国際本部にて、セラプレイセラピスト及びトレーナー・スーパーバイザーの資格を日本人唯一取得。セラプレイが発展しているソウルで学びソウル大病院や保育園や幼稚園・家庭支援センター・養護施設などでの実践を経て、帰国。日本での児童精神科・子育て支援センター・幼稚園・保育園・発達クリニックなどで子どもたちとその家族への個別セラプレイセッション及び集団治療を経て、2011年セラプレイカウンセリングセンター東京を設立。日本での活動中に起きた疑問点を一度深く考えるため、セラプレイで家族と子どもと出会う際、何が起きているのか理解し問題とされるもの自体の経緯・社会的背景・家族関係など、多角的な観点より子どもと家族を理解することのできる、研究方法を学ぶチームに所属し修練時期を持ちました。小学校の先生を経験した教授の元で小学校の先生たちが、10年以上この研究方法でクラスの子どもをしっかりと見つめながら活動をしている「子どもの目で授業をする」チームです。教育・福祉・心理学という領域からではなく、人類学・社会学と広範囲で理解する視点を学び、日本の文化や家族の文化を考慮しながら、目の前にいる子どもと家族をしっかりと出会えるように、2021年、これからは日本での活動をしながら、子育ての大変な日本の今に新しい子育てを提案できればと思っています。